例えば

うちの父は軍人の息子として満州やら習志野やらをうろうろした後に今の住まいに根を下ろし、高校卒業後一度就職しましたが祖父の反対を押し切って大学に進み、教員免許を取って隣町の小学校で働いていました★母は東京に住んでいましたが空襲が激しくなってきたために疎開もかねて一家で移住し、東京の大学に進むはずが落ちたために地元の学校に進んで隣町で保母をしていました★そこで見合い話が持ち上がり、まとまったおかげで今ここに自分がいます★田舎の公務員同士が結婚するなんてありすぎる程に良くある話ですが、もし祖父が強硬に父の進学に反対していたら、母が大学に進んでいたら、この組み合わせは有り得ませんでしたし、もっと言えば日本が戦争に負けたから二人は出会った訳です★「恋愛とは良くある大事件だ」とは僕が作った名言ですが、思えば恋愛だけではなくて結婚だってそうだし家族だってそうで、例えそれがはたから見ればどんなに良くある風景でしかなかろうとも、それぞれにその時その場でしか起こらない奇跡があり、そんな大事件の積み重ねでこの世の中のいろんなものは作られているんだと、つまりは人生って奴が良くある大事件なんだと思うようになりました★例えばあの日彼女があの場にいなかったら、例えばあの時僕が違う学校に通っていたら、この組み合わせはなかったかもしれないし、メールのやり取りから始まったことを考えればウィンドウズがなかったらどうなっていたのか分かりません★ありふれているから奇跡と呼べないのではなく、奇跡があふれているから僕らは生きていけるのだと、情緒的に過ぎるかもしれませんがそう思うのです★「恋愛が夢なら」フランスの少し皮肉な格言はこう続きます「結婚は目覚し時計だ」★目覚し時計が鳴った後にはどんな日常が待っているんだろう?今は想像するしかありませんが、縁側のひなたぼっこが似合う日々になったらいいなぁと思っています★身の回りに起こるいくつかの奇跡に驚きながら、喜びながら、悲しみながら、笑いながら。


結婚することになりました。
今年も宜しくお願いいたします。


今日のおひるごはん情報
:餅2ケ